HIV/エイズ
HIVとは
HIV(Human Immunodeficiency Virus)とは、ヒト免疫不全ウイルスのことです。HIVはウイルスや細菌などの病原体から身体を守るために重要な役割を果たすTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染します。HIVは大きく分けて、HIV-1型とHIV-2型の二つに分類されます。
エイズとは
HIVがTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)に感染することにより、これらの細胞内でウイルスが増殖します。その結果、免疫機能が徐々に低下し、通常は感染しない病原体にも感染しやすくなるため、様々な疾患を発症するようになります。疾患には代表的なものが23あり、これらの疾患を発症した時点でエイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)と診断されます。
感染経路
HIVは感染者の血液、精液、膣分泌液、及び母乳に含まれています。HIVの主な感染経路は、以下の三つに分類されます。
1 性行為
HIV感染の約80%は性行為が原因です。その中でも、男性同性愛者間の性的接触が最も多く、次いで異性愛者間の性的接触が続きます。オーラルセックスでも感染の可能性がありますが、特にアナルセックスでは直腸の粘膜が傷つきやすく、感染リスクが高いとされています。また、他の性感染症に感染している場合、HIV感染の可能性が2~4倍に増加すると言われています。
2 血液感染
注射針の共用や医療従事者がHIVに汚染された注射針の針刺し事故などによって感染します。注射針の共用はHIVのみならず、B型肝炎やC型肝炎の感染率も非常に高める要因となります。なお、以前は輸血によるHIV感染が問題となったことがありましたが、現在は献血された血液は厳格なHIV検査が実施されており、感染のリスクは極めて低くなっています。
3 母子感染
母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時、または母乳を介して赤ちゃんに感染する可能性があります。しかしながら、妊娠中に抗HIV薬の服用を開始し、帝王切開や粉ミルクによる育児を選択することで、赤ちゃんへの感染リスクを1%以下に減少させることができるとされています。
症状
トリコモナス尿道炎(男性)
男性の尿道粘膜に膣トリコモナスが感染すると、10日間ほどの潜伏期を経て、排尿時痛や尿道のかゆみ・違和感が出現します。ただし、症状が軽かったり、無症状であることも多いため、感染したことに気づかない場合もあります。また、自然に治ることもあります。
トリコモナス膣炎(女性)
膣トリコモナスが膣や外陰部に感染すると、泡状で異臭の強い黄色いおりものが増加し、膣や外陰部に強いかゆみや刺激感を感じることがあります。通常、感染から約10日後に症状が現れますが、感染者の20~50%は無症状です。このため、感染に気づかずに放置してしまうケースが少なくありません。
検査
血液検査で感染の有無を判定します。
抗原抗体検査
抗原抗体検査とは、HIV-1型抗原の一部であるp24抗原およびHIV-1型およびHIV-2型の抗体が体内に存在するかどうかを確認する検査です。現在は第1~第3世代よりも早い時期に検出できる第4世代の抗原抗体検査が主流です。
抗原抗体検査には、通常検査と即日検査の2つの方法があり、即日検査は結果が20分後にわかるメリットがありますが、精度は通常検査より劣ります。
NAT(核酸増幅検査)
NATとは、HIV-1型のRNA量をPCR法を用いて増幅させて行う検査です。HIVの検査の中では、最も早く感染しているかどうかを判定できます。
検査のタイミング
抗原抗体検査は感染機会から4週間以上経過していれば検査可能です。NATの場合は、感染機会から2週間以上経過していれば検査可能です。
検査費用
検体 | 血液 |
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結果 | LINE・メール・SMS |
即日抗原抗体検査(第4世代) | 5,500円(税込)結果 20分後 |
通常抗原抗体検査(第4世代) | 5,500円(税込)結果 2~3日後 |
NAT | 結果 5~7日後 |
郵送検査 | 行っておりません |
治療
以前は不治の病と恐れられていたHIV・エイズですが、今では治療の劇的な進歩により、1日1錠の内服薬で、健康な人と変わりない生活を送ることができ、同じ寿命を全うできることが可能となっています。
予防
HIVの感染を予防するためには、性行為(特にアナルセックス)の際にコンドームを使用することが重要です。コンドームにより感染を100%防ぐことはできませんが、感染リスクを低下させることが可能です。また、不特定多数の人との性行為を避けることも大切です。