TREATMENT 診療案内

PrEP(HIV予防薬)

現在PrEPの診療は行っておりません。

HIV予防の新しい選択肢

PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis/曝露前予防)とは、HIV感染のリスクがある方が、あらかじめお薬を服用することで感染を予防する方法です。PrEPを適切に服用した場合、HIV感染を最大で99%防ぐことができると報告されています。現在ではPrEPの効果が世界中で認められており、日本でも利用が広がりつつあります。

PrEPはこんな方におすすめです

  • HIV陰性で、感染リスクのあるパートナーがいる方
  • コンドームを使用しない性行為の機会がある方
  • 性感染症の既往がある方
  • セックスワーカーやそのパートナー
  • 複数の性パートナーがいる方

PrEP開始までの流れ

01
診察・血液検査

問診内容を確認し診察後、HIV検査や肝機能・腎機能の確認を行います。

02
処方

検査結果に問題がなければ、お薬を処方いたします。

03
定期的なフォローアップ

必要に応じて3ヶ月ごとに診察と検査を行います。

使用するお薬について

現在主に使用されているのは以下の薬剤です。また、安全性が確認されたジェネリック医薬品も使用されています。

ツルバダ(Truvada)

成分 テノホビル(TDF)+ エムトリシタビン(FTC)
分類 核酸系逆転写酵素阻害薬合剤
服用 1日1回1錠
概要 古くから使用されているPrEP治療薬。血中濃度が高く、腎・骨への影響が出やすいことがある。
備考 男女ともにPrEPとして使用可能。ジェネリックあり。

デシコビ(Descovy)

成分 テノホビル(TAF)+ エムトリシタビン(FTC)
分類 核酸系逆転写酵素阻害薬合剤
服用 1日1回1錠
概要 TDFの改良型であるTAFを使用し、より安全性が高い。細胞内活性が高く、全身への影響が少ない。
備考 PrEPは主に男性およびトランス女性に対して承認。ジェネリックは少ない。

PrEPの服用方法

PrEPには、ライフスタイルに合わせて選べる2つの服用方法があります。

毎日服用(Daily PrEP)

毎日1錠ずつ、同じ時間帯に服用する方法です。

特徴
  • 最も推奨される方法で、高い予防効果(最大99%)があります。
  • 性行為の有無に関係なく、毎日服用します。
  • 習慣化しやすく、安定した予防効果を維持できます。
注意点
  • 飲み忘れを防ぐ必要があります。

オンデマンド服用(Event-Driven PrEP)

性行為の前後に服用する方法で、主に男性間性交渉(MSM)の方に適応されています。通称「2-1-1法」といわれる以下のスケジュールで服用します。

服用スケジュール(2-1-1法)
  • 性行為の2〜24時間前に2錠
  • 性行為の24時間後に1錠
  • さらにその24時間後に1錠(計4錠)
特徴
  • 性行為の頻度が少ない方向け。
  • 費用を抑えられることもあります。
注意点
  • 急な予定には対応しづらい場合があります。
  • 性行為のタイミングが不規則な方には不向きです。

費用(自費診療)

現在PrePの診療は行っておりません。

よくあるご質問(FAQ)

保険はききますか。

いいえ。PrePは自費診療となり保険の適用はありません。

PrEPは本当に効果がありますか。

はい、適切に服用すればHIV感染を最大99%予防できると報告されています。毎日正しく服用することで、高い予防効果が得られます。

毎日飲まないといけませんか。

基本的には毎日1錠の服用が推奨されていますが、性行為の頻度が少ない方には「オンデマンド服用(必要なときだけ)」という選択肢もあります。

どのくらいの期間服用する必要がありますか。

性的活動が活発な期間中は継続的な服用が推奨されます。ご自身の状況に応じてご相談ください。

PrEPは副作用がありますか。

吐き気や頭痛、腎機能への影響が出る場合がありますが、問題なく使用できる場合がほとんどです。服用開始前に血液検査を行い、安全性を確認しますのでご安心ください。

PrEPを服用していればコンドームは必要ありませんか。

PrEPはHIV感染を予防する薬ですが、他の性感染症(梅毒やクラミジアなど)には効果がありません。コンドームの使用を併用することをおすすめしています。

女性や異性愛者もPrEPを使えますか。

はい、すべての性別・性的指向の方が使用可能です。特に、HIV陽性のパートナーがいる方や、高リスクな性行動がある方には有効な予防手段です。

何歳から利用できますか。

一般的には、16歳以上でHIV陰性の方が対象です。年齢や体調によっては使用できない場合もあるため、まずは診察時にご相談ください。

他の薬と併用しても大丈夫ですか。

一部の薬(特に腎機能に影響を与える薬)には注意が必要です。服用中のお薬がある場合は、診察時に確認しご案内いたします。

安心してご相談ください

PrEPは、あなたの健康と将来を守るための選択肢の一つです。
「自分に合っているか分からない」「まずは話だけ聞いてみたい」そんな方も、お気軽にご相談ください。当院では、プライバシーに配慮した空間で、安心してご相談いただけます。