INCUBATIONS 潜伏期間を調べる

コンドームをつけないセックスやオーラルセックスをすると、性感染症(性病)の原因となるウイルスや細菌などの微生物が、体内に侵入してきます。
その侵入してきた微生物は、血液や粘膜を介して体内をめぐります。その微生物はヒトの体の中で好きな場所にたどり着き、病原性を発揮しだすと、症状として現れてきます。その体内に侵入してから症状が出現するまでの期間を潜伏期間といいます。

その間は症状がでないため、感染してることに気が付きません。性感染症によっては、この時期でもセックスをすると人へうつしてしまうこともあるため、注意が必要になってきます。具体的には、コンドームを使用しないセックスやオーラルセックス等のリスクのある行為をしてしまった時には、性病検査を行い、早期に見つけることが重要です。

潜伏期間別に考えられる病気一覧

潜伏期間別に考えられる病気一覧の図

クラミジア:1~3週間

クラミジアの男性性器への感染の場合、感染してから1~2週間くらいで尿道炎の症状が出ると言われています。(女性の場合は1~3週間)
尿道の痒みや不快感、排尿時の軽い痛みなどの症状があります。膿も出ますが、さらさらして量は少なめです。淋菌よりも潜伏期間が長く、発症は緩やかです。

淋病:2~7日

淋菌の男性性器への感染の場合、感染してから2~7日後から排尿痛や膿などの症状が出ます。(女性の場合は7~14日) クラミジアよりも潜伏期間は短く、症状も強いため、受診に繋がりやすいのですが、人によっては淋菌もやはり症状が出ない場合があります。そして、女性は男性よりも症状が出にくく、潜伏期間ははっきりとしません。

マイコプラズマ・ウレアプラズマ:7~35日

マイコプラズマ・ウレアプラズマに感染してから7~35日後から排尿痛や膿などの症状が出ます。
感染しても大半の方が無症状または軽症にとどまるため、感染は拡大しやすいです。

HIV:2週間(初期症状)

HIVに感染してから2週間後くらいに発熱などインフルエンザのような症状が出る場合がありますが、何かの体調不良か?と思ってしまい、気づかないケースも多いです。
そしてその後は、数年~10年ほど症状のない期間が続き、検査や治療を受けなければエイズを発症します

梅毒:10~90日(平均21日)

梅毒に感染してから最初の症状が出るまでの期間は、約3週間(21日前後)と言われています。
ただし、これはあくまで平均的な潜伏期間であり、早い場合は感染10日後から症状がでることもありますし、90日たってやっと症状が出ることもあります。

また、梅毒は症状が出たり消えたりするのも特徴です。最初の症状(第1期梅毒)は2~3週間で自然に消え、そのまま放置すると3ヵ月後頃に症状があらわれます(第2期梅毒)。

トリコモナス:10日前後

トリコモナスに感染してから10日前後から排尿痛などの症状が出ます。
しかし、感染しても無症状のままの方や、6カ月後に症状が現れる方など、発症のタイミングは個人差が大きいため、陰部に違和感を覚えたらすぐに検査を行いましょう。

尖圭コンジローマ:数週間~3ヵ月

尖圭コンジローマに感染してから平均3ヵ月前後から痛みやかゆみの伴わないイボのようなものが性器、肛門周辺にできる症状が出ます。
イボのようなものを直接見たらいいのですが、自覚症状がないため、気づきにくい性病です。

ヘルペス(性器・口唇):2~10日

ヘルペスに感染してから2~10日後、ちいさなぶつぶつ、水ぶくれができて痒くなります。
ただ、感染した時は無症状で、その後何かのきっかけで身体の免疫力が落ちた時にウイルスが活性化して症状が出ることもあります。